少しだけすっきりした気持ちで綺麗になったボールをカゴに放り込んだ。
綺麗すぎて他のボールと少し馴染んでいなかった。
それは私と似ているようで、違う。
グラウンドに戻ると、私以外の一年生は石灰を使って線を引いていた。
この部活でやる仕事の半分以上は一人では難しい。
話し相手のいない私にとっては苦痛でしかない時間。
一人でもできる仕事はないかと探してみる。
ブラシも終わった、ネットのセットも終わった、移動ネットも運び終えている。
後は線を引くしかない。
まだできない事の方が多くて、一人でできる仕事はもうない。
意味もなく、コートの周りをうろうろしていても、同級生からは馬鹿にされたように笑われるし、先輩からは変な目で見られる。
一人でも話せる人がいれば。
そこから輪が広がるかもしれないのに。
私は輪から外れている。
どうしようどうしよう。