嫌いだけれど、言っていることは正しい。


「……漫画を読みたいなら、帰っていいからね?」


携帯をいじっていたかもしれないという疑いは晴れたけれど、今度は漫画を読んでいたことを言われてしまい、もう泣きそうだ。


雨は強くなっている。


「……そもそも、どうして漫画を持ってきたの?」


「……暇になった時とかに読もうと思っていました。」


「……去年、合宿参加しているから分かるだろうけど、疲れるよね、合宿。

漫画を読む体力があるなら、真面目に取り組んでいなかったの?

何のために合宿に来たの?

みんなそう。

ここにある漫画を読み漁って、何をやってるの?

歴代の先輩はこんなこと、やっていなかったよ。

あなた達しかこんなことはやってないよ。

……もう後輩もいるのに。」


それで決壊したらしい。


私以外の人は、涙が溢れ出た。


私とユキだけだった。


気まずい。


だけど、無理して泣くようなことではない。