食事が終わり、中二とキャプテン以外が出ていくと、切り出された。
先輩の横には顧問。
よりによって私のいちばん嫌いな顧問だ。
「……まずは、今日の朝のことだけど、どういう経緯で言い争っているのか教えて。」
「……昨日の夜から始まりました。」
シオが切り出した。
「あたし達はふすまを使わないで二つの部屋を一つにしていて、寝る時にあたし達の方は電気を消して寝ていたんです。
で、隣の部屋は薄暗い豆電球をつけて寝ていたんです。
……そうしたら、お互いに眠れなくて。
電気をつけても消しても眠れなくて……、それで今日の朝は言い争っていたんです。」
「……なるほど。」
しばらく先輩が黙る。
「……すみません……。」
葵ちゃんが謝る。
「……あのさ、どうしてこんな事で揉めるの?
こんなの、小学生なら分かるけれど、あなた達はもう中学二年生なんだよ。
ちゃんと穏便に解決できるって期待していた。
中二はテニスも上手いから。」