私はもともと早起きなのですっきりと目覚められ、着替えていると、抑えた怒声が聞こえた。


「うちら、昨日全然眠れなかったんだけど。」


シオが怒っている。


「あ、わたしもー」


何人かが賛同する。


「葵が電気付けっぱなしにして寝るって言ってたの、あたし聞いてたからね。

昨日は夜だったからあんまり揉めたくなかったけれど。」


嫌な空気。


呼吸でもしようものなら今度は私が言いくるめられそうな空気。


シオと葵ちゃんが牽制し合う。


迂闊に「止めようよ」なんて言えない。


また、戻ってしまう。


「気にしなきゃいいじゃん。」


「迷惑がかかっているってことも考えた方がいいよ。」


ヒートアップしてきた。


もう誰にも止められない。


「……んー、おはよう……」


その時、ユキが起きた。


だけど、誰も気付かない。


「おはよ、静かにしてて。」


大あくびをしそうなユキの口を抑える。