ユキが入部してから何日か経った。
はっきり言って、うざい。
私はそう思う自分を汚いと分かっていたけれど、止められなかった。
今まで散々友達を欲しがっていたくせに、いざ絡まれるとうざくて仕方ないなんて、わがままもいいとこだ。
あまのじゃくだ。
「部活、頑張ってね!」
「ありがと、雅。」
帰宅部の雅は毎日授業が終わるとさっさと帰ってしまう。
羨ましいけれど、私が選んだことだ。
手を振ってからラケットを持って下に降りた。
「華夏、やっほー。」
「あ、絵奈。」
「今日はコーチが来るから厳しいよね。」
「嫌だなあ、また今日も走らされるかもしれないし。」
あの電話の後、同じクラスだった人とは少しずつだけれど、話せるようになった。
嬉しく思う一方で、本当は私と話すことを嫌がっているのではないかとつい勘ぐってしまう。
「華夏ちゃん、一緒に行こう。」