「は、華夏、永岡さんのところに行こう!」
保坂さん、じゃなくてシオの後ろには小野寺さんがいる。
「……うん」
「ねえねえ、よろしくね。
うちら、テニス部なんだ!」
明るさが取り柄ですっていうくらいの明るさでシオが話しかける。
「そうなんだ、よろしくね。」
「テニス部、入るでしょ?」
会話を進めるシオ。
黙る小野寺さんと私。
「うん、明日から見学とか仮入部する予定。」
「うちら、永岡さんのこと、なんて呼んだらいい?」
「うーん、前の学校ではユキって呼ばれてたからユキって呼んでくれたら嬉しい。」
「分かった!」
「……よろしくね、ユキ。」
同じ部活のメンバーになるかもしれないから仲良くはしておきたい。
「うん!」
「あ、こっちは華夏で、こっちは麻紀ね!」
「分かった、よろしくね。」
……また一人にならないかな。
ふと不安を覚えた。
その時、先生が入ってきて、ホームルームが始まった。