「ありがとう」


「ねえ、華夏の名前って画数多いよね?」


「そうなんだよね、苗字だけでも多くて大変なのに名前まで画数多いとか辛くてしょうがない。

テストの時なんて、名前だけで周りに遅れとってるし!」


「あはは!でもいいと思う、華夏って。

普通、『はなか』っていうと花に果樹の果とか香るって書く事が多いんだろうけど、難しい方の華に夏って華夏に合ってる。」


「本当?初めて言われた!」


盛り上がった!


上手くスタート切れたかもしれない。


「チャイム鳴ったから行こう!」


「そっか、体育館だったよね。」


教室から出ると、瑠花に会った。


「あ、瑠花!」


「ハナじゃん!

今度空いてる日曜日にでも映画見に行かない?」


「いいね、また空いてる日が分かったら連絡する!」


手を振って別れると、また雅と歩いた。


「ねえ、転入生が来るって知ってる?」


「何それ、知らない。」


「うちのクラスに来るらしいよ。」