「それはあまりに身勝手だ。」
「……そうだね、身勝手。」
呆れるほど、勝手すぎる。
自分で入りたいって言って入ったのに。
「でも、私だって少しくらい身勝手にやりたい。
今まで散々あの部活に振り回されてきたんだから。
日曜日だって、練習とか試合があるから友達と全然遊べていない。
みんなが楽しく過ごしている時、私は立っているのすら辛かった。
そんなの、部活の方が身勝手じゃん。
……このくらいのわがまま、いいじゃん。
私、あの部活にもう一秒でもいたくない。
……許してよ、このわがまま……。」
感情の込め方を忘れたように、機械的に辞めることだけを懇願し続けた。
実際、忘れていた。
部活の話になると、途端に感情の込め方を忘れてしまうのだ。
今までどうやって笑っていたか、どうやって話していたか、どうやって怒っていたか、どうやって泣いていたか、全て忘れてしまうのだった。
まさに、心を殺された。