……もう、いいよね。
こんなに頑張ったんだから。
心もおかしくなって、涙も出なくなって、会話も出来なくなって。
こんなんなら、私はチームのお荷物でしかない。
乾いた笑いが漏れる。
声もなく、ただ笑っていた。
気持ち悪いのだろうけれど、どうでもよかった。
もう我慢しないで部活に行かないで済むと思うと安心した。
どれだけ気を張り詰めていたのか。
強ばっていた肩の力が一気に抜けていく。
半年間、一度も心の底から休めなかったのだ。
空は、冬特有の澄んだ水色から真っ赤なオレンジに染まっていた。
……休むって言わなかったから、進藤さんは怒っているかもしれないなあ。
呑気に練習風景を見続けた。
……いいなあ、テニス。
テニスだけ、やっていたかった。
人間関係なんて、いらない。
最近は参加できる練習が増えたのに、それに比例するように私は練習を休みがちになった。