「いいかげんにしなさい!」


「いや!絶対に辞める!」


「よく考えなかったのが悪いんじゃない!」


どうして分かってくれないの?


「最初なんだから分かるわけないじゃん!

こんな部活だって分かっていたら、他の部活に入ったよ!」


「お母さんは絶対に辞めさせないから。」


「……もういい。

明日、退部届貰ってくるから。」


話しても無駄だ。


「……明日、連絡するわ。

先生にこのことを言うから。」


「……言ったら保坂さん達を辞めさせられるの?

それなら続ける。

もし、残るんなら、私は辞める。」


バチンと耳元で音がした。


それから、左の頬がじんじんしてきた。


「……なにするの?」


「あんたは、何様のつもりなの?」


「……なんで?

なんで、私が怒られないといけないの?!」


「あんたはどれだけ偉いのよ!

全員辞めさせるなんて、あんたはそんなに偉くない!

全部自分の思い通りに行くと思ったら大間違いよ!」