「お母さんは最初に言ったよね?
『この部活で最後までちゃんと続けられるなら、入っていいよ』って言ったよね?
それに華夏は納得して入部したんだから、辞めるなんて都合がいいんじゃないかしら?」
筋は通っている。
だけど、この問題だけは筋なんて関係ない。
「……私、本気で辞めたいのに。」
声が震える。
辞められないことが、こんなにショックだなんて。
初めて涙が零れた。
半年間、何があっても一度も泣かなかったのに。
ものすごい衝撃だった。
……私は、あの部活から出て行けない。
こんなことになるなら、早く退部届を出せばよかったのだ。
印鑑があれば、辞められるのに。
「……これ以上、どうしろって言うの?
私は、半年間真剣に考えて、その結果がこれなんだから、辞めてもいいでしょ?」
「とにかく、お母さんは認めない。」
「なんで?
私は部活に行こうとする度に気持ち悪くなって、頭が痛くなって、体が重くなるのに!
精神的にも、もう限界!」