「……他には、誰がやったの?」
「全員。
でも、強いて言うなら、保坂さんと渋谷さんと奥野さんと村上さんと小林さん、かな。」
喋らない奥野さんも辞めさせたかったから言った。
何もしてこなかったけれど、存在が嫌だった。
見て見ぬ振りをしたやつも、全員糾弾しようと思った。
「……どうして、助けを求めなかったの……?」
……どうしてだろう。
よく分からない。
どの答えを取ってもしっくりくるような、こないような。
「……どうして、だろうね。
やっぱり、保坂さん達を辞めさせたかったからかもしれない。」
「……そうなの?
……でも、華夏がテニス部を辞めることは、お母さんは認めない。」
……は?
どういうこと?
「……なん、で……?
もう他の部活に入ることも決めているのに……。
行き場がない訳じゃない。
……ちゃんと、次のことも考えに考えて決めたことなのに……。」