「以上で帰りのホームルームを終わります。
何か連絡がある人は……、いないわね。
では、終わります。」
終礼が終わった。
また一つ、中一でいられる日々を消化した。
最近、特にカウントしてしまう。
このクラスが終わったら、私は居場所を見失ってしまう気がして怖くなった。
着替えながら身震いした。
「華夏は部活でしょ?
大変だよねー、毎日。」
「まあ、ね!
結子達も今日は部活じゃん。
早く行かないと、先輩が怒るんじゃない?」
おどけて言うと、美沙が一番怖い先輩の真似をした。
「あはは、似てる!」
「おもしろいね!」
「じゃあねー!頑張って!」
「うん、ありがとうね、結子達も頑張って!」
階段を下りていると、部活に行きたくなくなる。
だけど、行かなくちゃいけない。
私が決めたことだから。
顧問の先生とすれ違い、挨拶をする。