「あ、もうすぐ入試休みだからどこかみんなで行こうよ!」


美沙が提案する。


「いいね、どこ行く?」


「えーどうしよう!」


何も話さなくてもここは心地いい。


たった一つの居場所。


失いたくない。


だけど、あと三ヶ月もすれば私達は中学二年生になり、クラスは離れてしまうだろう。


「華夏はどこ行きたい?」


「私もテーマパークかな。

あと映画も見たい!」


「映画、うちら全然見てないよね!」


「あ、瑠花おはよう!」


「おはよう」


約束しているわけではないけれど、教室にいると自然とこの四人で固まる。


「瑠花はどこに行きたい?

みんなで中一最後の思い出づくりしたいんだ!」


「うーん、あたしは遊園地かなー。」


「みんな違うじゃん!」


結子がそう言うと美沙がけらけら笑い出した。


つられて私と瑠花も笑ってしまう。


「……全部行こうよ。」


「そうだね!」