「……ご、ごめん、ね」


たぶん、今のこの事で、今までわずかでも私に同情していた人は完全に保坂さんの方に移ったと思う。


富木島さんは、自分しか見えていない自己中心的なやつ、と。


ボールを当てられた香織ちゃんは当然怖い顔をしていた。


渋谷さんはまだ目が厳しい。


渋谷さんは怪我をしていないのに、どうしてここまで怒るのだろう。


周りを見ていなかったのも悪かったけれど、わざわざ一年生全員の練習を止めてまで言うことなのだろうか。


これは当てつけなのか。


私がおかしいのか、同級生がおかしいのか、よく分からない。


謝ったからそれでいいじゃない。


大きな怪我をしていれば、私が責任を取ればいい。


なのに、何に対して怒っているのか分からない。


もう一度サーブを打つと、今度は綺麗に入った。


あまりの寒さに練習が終わって教室に戻ったら、鼻がひりひりした。