その後、凛ちゃんとはいろいろ話したけれど、あまり覚えていなかった。


私は、裏切り、裏切られる所を初めて見た。


それが、自分の身に起きた。


決して甘やかされて育ってはいないけれど、それでも人を裏切り、裏切られたことは一度もなかった。


そういう女子はたまに見たことがあったけれど、冷ややかに私は見ていた。


裏切る方も悪いけれど、裏切られた方にも非はあるんじゃないの?って。


私は、何か悪かったのだろうか。


呆然としながら電車とバスを乗り継いで、気づけばもう家に着いていた。


「ただいまあ」


「あ、おかえりー。

見に行ってきたよ、文化祭。」


「うん、見てたの知ってる。」


もうばれてしまうのか。


それでは私もプライドが許さない。


「そういえば、あんたと一緒にいたの、誰?」


全くの杞憂だった。


「あー、他のクラスの子。

たぶんお母さんは知らないよ。」


「あ、そうなのね。

でもあんた偉かったね。

みんな喋っていたのにボールしっかり拾って。」