昼を食べ終えて、また部活に戻った。


文化祭はピークを迎えている。


遊びたいのを我慢しながらラケットを振り回しに部活へ行かなくてはならない。


まだ参加できる練習メニューの少ない一年生は全員で先輩の打ったボールを拾っている。


意味があるのか分からない。


だけど、後ろの保護者席には人がいるからさぼろうにもさぼれない。


しかも、お父さんとお母さんもいる気がする。


最悪。


見られたくない。


「富木島さん。」


名前を呼ばれた。


保坂さんの声じゃない。


……誰?


振り向くと、凛ちゃんがいた。


夏合宿で、いちばん友達に近くなった子。


なのに、なんで。


何食わぬ顔でそうやって呼ぶことに呆然とし、怒った。


……むかつく。


全部、保坂さんが仕組んだことだ。


人の弱みに漬け込むなんて、有り得ない。


周りの人を利用してでも私を潰したいの?