「ごめんね〜わざわざ」
あたしが色々な思いを巡らせているとも知らず、笑顔で靴を脱ぎ、リビングへ案内するイケメンに、なんだか恐怖よりもイライラしてきた。
リビングは静まりかえっており、誰かがいる様子はなかった。
…1人、か。隙があれば逃げられそう。
部屋はやや片付いているが、テーブルの上には綿棒の箱やメガネケース、テレビのリモコンなど置いてあり、生活感が伺えた。
「俺、アイス冷凍庫入れちゃうね、あ、君のも溶けちゃうかもね、冷凍庫、いれておく?」
どう考えてもそんなに入らねーだろ。
そんな大量のアイス買ってるくせに。
考えろ。
「いえいえ、あたしすぐ行きますので、大丈夫ですー!」
死守する。
波瑠のアイス。
任せろ。