まさか、部屋に連れて来られるだなんて思わなかった。

「ごめんね、部屋少し散らかってるんだけど」

「あ、…いえ、全然、そんな…大丈夫ですカラ」

この時のあたしは、ものすごく緊張していたと思う。
ただ、その緊張というのは、イケメンの部屋だ!ヤッホイ!的な嬉しいものではなくて。


…あたし、

もしかしてこれから…。


少しの震えと、青ざめていくような思いが混ざっていた。

嬉しか思う場面か?いや、どっちだろう。

正直、イケメンとヤる、という概念はあたしからするとhappyかもしれない。でも、…なんだか望んでない。

出会い方がおかしかったし。
炎天下の中待っていて、あたしじゃなきゃダメって…

やばいよね。…
どうしよう、今なら間に合う?

この人を突き飛ばせば、どうにか逃げられるんじゃないか、って。



…そう考えていた。