駅前のロータリーには客が見当たらなくて退屈しているタクシーが何台も並んでいた。この調子だと急な雨でも降らない限り、彼等の退屈はまだしばらく続くだろう。もっとも、この澄み渡った空を見上げると、そんな望みは叶いそうもない。チキンフィレオを食べ終えた時、店内の客が何組か増えているのに気付いた。その時だった。