「お義さん、行って来ます」

シーンとしている自分の家。
私はこの家が嫌いだ。


「今日、自分でご飯作ってね」
「うん」


お義さんは、本当の母親じゃない。
二年前にお父さんの再婚相手として来た。

でも、ご飯も作ってくれないし。母親らしいことは全然してくれない。  

だからと言って、嫌いなわけではない。  
最初に会った時、お義さんは、地味な私を『可愛い』と言ってくれた。

それに、居場所も与えてくれたしね…。

私は今日から高校生になる。
お父さんみたいな人に憧れていて。


でも…、お父さんは出ていった。
一人娘の私と、お義さんを置いて。

蒸発?って言うのかな。

それからとゆうもの、本当の娘でもない私と暮らしていくために、お母さんは一生懸命働いてる。


だから、私が絶対お義さんと暮らしてくって決めたんだ…。







「花びら、すごく綺麗」  

私は、目の前にある、ツツジの花びらに触れてそう呟いた。


今日はすごく天気が良い。
心も体も、おかげさまでポカポカだ。 


腕にしている時計に私は目を向ける。

「もうこんな時間…。そろそろ行かなくちゃ」


私は、足早に急な登り坂を登る。

と、思った瞬間、足を滑らせてしまった。 

気付いた時にはもう遅かった。

(危ない!)


あれ…?痛くない?


「大丈夫か!?」

これ、どうゆう状況!?


「ケガないか!?見せてみろ!」

「大丈夫ですから!」


急いで男の子から離れる。


「お前、名前何?同じ学校だよな?」

確かに…男の子とは同じ制服。
しかも、女の子にモテそうな顔だ。  
 
綺麗な黒髪に、大きな瞳。
綺麗な瞳に吸い込まれそう…。

「…林田蘭子」
「えっ?」

あぁ…ごめんなさいっ!
声が小さくて…。

「林田蘭子ですっ!」
「あ、ゴメン…」

あ、やっちゃた!
私のバカっ!

「す、すいませんでした~!」

私は一目散に逃げる様に走る。

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