原因の1つであるわたしが、悲劇のヒロインみたいに泣き叫ぶのは間違っていると思うから…。


…だから、わたしは大丈夫。


そう自分に言い聞かせる。


…なのにっ。

涙が止めどなくあふれ出すのは…なぜだろう。


「…かりん。無理しなくてもいいんだよっ…。大丈夫じゃないことくらい、知ってるよ…!」


優奈がわたしの肩に手を添える。


そんな優奈も、涙で目を腫らしていて…。

カズも優奈も、わたしを気遣う余裕なんてないはずなのに、わたしにそっと寄り添ってくれた。



ようやく3人とも落ち着き、カズが話の続きをしてくれた。


隼人の記憶障害は、治る治らないという問題ではなく…。

長い目で、見守っていかなければならないということだった。


記憶喪失は一時的なものもあり、数時間後や数日後など、ふとしたときに記憶が戻ることもあるんだそう。