それをひと口飲んで、ため息をつく。


わたしが知っている隼人は、いつも元気で活発で――。

よく笑って、よく笑わせてくれて、周りを明るくするような…そんな太陽みたいな存在だった。


…だから、あんなに苦しむ隼人を見るのは初めてで、あの場にいるのがつらかった。

苦しむ隼人を直視することができなかった。


隼人をそんな状態にさせてしまったのは、自分だというのに…。


「…あんまり自分を責めるな。かりんはなにも悪くない。お前だって、被害者なんだから」


隣に、缶コーヒーを持ったカズが座る。

カズの言葉に、涙で視界が滲む。


今日は、たくさん涙を流した。

目覚めた隼人に会えた涙と、カズの優しい言葉が胸に沁みた涙。


だけど、それでも心が晴れないのはきっと――。


『……ごめん。キミ…だれ?』