「…隼人っ!大丈夫…!?」」

「かりん…!かりん…!!」


まるでなにかに取り憑かれたかのように、わたしの名前を叫びながらうなされる隼人。


「…隼人!!どうしたのっ!?」


隼人のお母さんが、慌ててナースコールを押す。


「…かりんっ!……うわぁぁああ!!」


頭を抱えて、ベッドの上で苦しむ隼人。


その…触れたら壊れてしまいそうな隼人の姿に、わたしはどうすることもできなかった。


ずっと、わたしの名前を叫び続ける隼人…。


「隼人…!わたしはここにいるよ…!」


そう声をかけて、隼人に駆け寄ろうときた――そのとき。


「せっかくきてくれたのに、悪いけど…。今日は、もう帰ってもらってもいいかなっ」


わたしたちと隼人との間に、隼人のお父さんが割って入った。

わたしたちの前に立ちはだかるお父さんは、きっと隼人の苦しむ姿をわたしたちに見せたくなかったのだろう。