「…友達?…俺の……?」


隼人は、わたしに目を向ける。


その瞳は、わたしが知るいつものような澄んだものではなく…。

まだ夢の中にいるような、虚ろな目をしていた。


「俺…、知らないよ?3人とも…」


その言葉に、病室内が凍りついたのがわかった。


「…ごめん。どこかで会ったこと…あったっけ?」


申し訳なさそうにそう尋ねる隼人は、とてもふざけているようには思えない。

…いたって真剣。


「…ちょっと隼人!…さっきからなにっ!? あたしやカズなら冗談で済ませられるけど、かりんに対してそれは失礼だよ!」


理解しがたい隼人の言動に痺れを切らした優奈が、隼人に詰め寄る。


だけど隼人は、まるで他人事かのように、ただぼんやりとわたしたちを見上げるだけ。


「かりん…?キミが?」