…隼人の両親だって、あの日なにがあったのかは聞かされているはず。

わたしのせいで、隼人がこんな目に――。


「元気そうでよかったわ」


すると、予想外の言葉が返ってきた。


わたしはてっきり…責められるものとばかり。


「隼人ね。意識が朦朧とする救急車の中で、ずっとあなたの名前をつぶやいていたみたいなの。…きっとあなたは、隼人にとってとても大切な人なのね」


そう言って、隼人のお母さんはそっとわたしの頬に手を添えた。

間近で見ると、目に涙が浮かんでいた。


「…さっ、どうぞ中に入って!隼人も喜ぶわ」


わたしたちに悟られないように目元を拭うと、隼人のお母さんは病室のドアを開けた。


ベッドを仕切るカーテン――。

その隙間から、ギプスで固定された釣り上げられた脚が見えた。