カズがそう説明すると、隼人のお母さんの表情が緩んだ。


「隼人のお見舞いにきてくれたのねっ。ありがとう」

「目覚めてすぐにきてくれるなんて、隼人もいい友達に恵まれたものだな」

「そうね」


微笑み合う隼人のお父さんとお母さん。


2人とも切れ長な目で、隼人の丸い目にはあまり似ていないというのが第一印象だった。

カズに教えてもらわなかったら、たぶん隼人のご両親だって気づかなかったと思う。


でも、どちらも隼人と同じで、優しそうな雰囲気の人柄だ。


「お名前…、うかがってもいいかしら?」

「はい!堺優奈です!」

「わたしは、広瀬…かりんです」


わたしが自己紹介すると、それまで微笑んでいた隼人の両親の顔色が変わった。


「…あなたが、広瀬さん……」


わたしのことをじっと見つめる隼人のお母さん。