わたしは2人のあとについて行き、ようやく隼人の病室の前にたどり着いた。


「…かりん。開けるぞ…?」

「う…うん」


わたしは、暴れる心臓をなんとか落ち着かせようと深呼吸をする。


そのとき――。


「あら…?もしかして、カズくん?」


背後からそんな声が聞こえて、振り返る。


そこにいたのは、黒髪のロングヘアの優しそうな女の人と、笑い皺が特徴的な男の人だった。


「おばさん!おじさん!」


知り合いなのか、親しげに2人に歩み寄るカズ。


少しなにかを話したあと、カズがわたしたちのほうに目を向ける。

そして、わたしと優奈の肩を叩く。


「隼人のお父さんとお母さんだよ」


カズが紹介してくれて、慌ててお辞儀をする。


「こちらの女の子たちは…?」

「俺と隼人と同じクラスの友達です」