その電話の内容とは、わたしがずっとずっと待ちわびていた言葉だった。


〈…かりん!隼人が目を覚ましたって!〉


すでに、事故から10日が経過していた。


カズの両親が、同じサッカーチームだった隼人の両親とも仲がよかったみたいで、隼人が目覚めてすぐにカズの家に電話をくれたんだそう。


〈目覚めたばかりだからまだ家族しか会えねぇけど、今日の検査で問題なかったら、明日には面会できるかもしれねぇって!〉

〈…そっか。よかった……〉


隼人も頭を強く打っていたとかで、おそらく今日…脳の検査が行われるとのこと。


隼人が目覚めたというのに、家でじっとなんてしていられなかった。

だけど、今わたしが病院に駆けつけても…隼人にしてあげられることはなにもない。


検査が無事に終わることを祈るだけだった。