翌日。

優奈とカズがお見舞いにきてくれた。


「目が覚めて、本当によかった〜…!」


と言って、優奈は泣きじゃくった。


心配してくれてたんだ…。


その気持ちはうれしいけど、まだ隼人が目を覚まさない今、素直に喜ぶことはできなかった。


わたしは検査の結果も問題なく、その数日後に無事に退院した。



残りの春休みは、家で安静にして過ごしていた。

だけど、隼人のことを思うと、気持ちが落ち着かなかった。


そんなある日――。


〈…もしもし?〉


朝ごはんを食べる前に、わたしのスマホに珍しい人物の名前が標示された。

それは、カズだ。


カズから電話なんて珍しい。

いや、初めてだ。


メッセージのグールプトークだって、積極的には入ってこないのに。


なんだろうと思いながらも、スマホの通話ボタンを押した。