そして、唇を噛みしめたかと思うと、ゆっくりと口を開いた。


「…隼人くんは、今…集中治療室にいるわ」

「…え……?」


…集中治療室?

それって――。


「…隼人、どこかケガしたのっ!?」

「落ち着いて…かりんっ!」


そんなこと言われたって…。

こんな状況で…、落ち着けるわけがない。


「わたし、今から隼人に会いに行く…!」

「かりん、…待ちなさいっ!」


自分が2日も目を覚まさなかったことすら、まだ実感がないというのに。

起きたらそばに隼人がいなくて、しかも集中治療室にいるなんて…。


自分の目でたしかめなきゃ…信じられない!


ベッドから無理に下りようとしたけれど、全身に走った痛みでバランスを崩し、わたしは床に倒れ込んだ。

転んだくらいいつもならすぐに立てるのに、今は体が思うように動かず、なかなか立ち上がることができない。