自分の席を見つけると、机の横にスクールバッグをかけて着席した。


窓際で話す、男の子。

隣のクラスに偵察しに行く、女の子。


そんな中、前のコに話しかけている優奈の姿が目に入った。

ああいう社交的な性格が本当にうらやましい。


わたしは、どちらかというと…人見知り。

だから、周りは知らない人ばかりで、思わずうつむいてしまった。



席に着いて、10分ほどが経過した頃。


「あの〜…」


ふと、そんな声が聞こえた。

だけど、とくに気にすることもなく、わたしはノートに落書きをしていた。


「あの〜」


また聞こえた。


なんだろうと思い、なんとなく顔を上げてみると――。

なんと、すぐそばで男の子がわたしを見下ろしていた…!


鼻筋の通った顔。

柔らかそうな茶髪の短髪。