…だけど、なかなか振り向いてくれない。


「かりん…。やっぱり…覚えてない?」


なにかを決心したように、お母さんは傍らに座った。


「あなた、この2日…目を覚まさなかったのよ…?」

「……えっ…?」


そう言われても、なかなか信じることがてきなくて…。

まるで、狐につままれたような気分だった。


慌ててベッドの横に置いてあった自分のスマホを手に取って、画面を確認する。

そこに表示されていた日付は、たしかにわたしが知らない間に変わっていた。


わたし…、2日前はなにしてたんだっけ……。


思い出そうと、記憶を巡らす。


このとき初めて、自分の頭に包帯が巻かれているのに気がついた。


……そうだっ。

イルミネーション…!


わたしは隼人と、イルミネーションを観に行く約束をしていた。