「もうっ…心配したんだから。でも、本当によかった…!!」


お母さんはわたしの手を取ると、優しく両手で包み込み、祈るように自分の額にあてた。


お母さんの手…、温かい。

心地よくて、またこのまま眠ってしまいそうになる。


だけど、視界の端に点滴をぶら下げた袋が見えて、思わず目を見開けた。


「お母さん…。わたし…どうしちゃったの……?」


ようやく、ここが病院だということを理解した。

真っ白な四角い部屋に、ベッドに横になるわたしと、その傍らにお母さん。


「わたし…」

「…ちょっと待っててね。今、先生呼んでくるから」


お母さんは少し不安そうな表情を残しながらも、病室から出ていった。

ドアが閉まると、再び静まり返る部屋。


「いたっ…!」


体を起こそうとすると、全身の所々が痛かった。