「…どけっ!!邪魔だ!!」


次々と通行人を押し倒していく。


目の前でなにが起こっているのかすぐには理解できず、歩道橋の上から逃げる男の人をただ目で追うことしかできない。


…ところが、ここで想像もしていなかったことが起こる。


なんと、男の人が歩道橋に上ってきた…!


がたいがいい男の人が、まるでブルドーザーのように突っ込んでくる。


避けなきゃっ…!


頭ではそう思っているのに、なぜか体が動かない。


一直線に向かってくる男の人が…こわくてこわくて。

わたしは、完全に足がすくんでしまっていた。


その間にも、男の人はすぐそこまで迫ってきていた。


「邪魔だ!!どけっ、ガキ!」

「…きゃっ!」


わたしの体に強い衝撃が加わった。

突っ込んできた男の人に払うように押されて、そのままバランスを崩したのだ。