振り返ろうとしたら、痛いくらいに背中を叩かれる。

その背中を摩りながら顔を向けると――。


「痛いよ〜、優奈(ゆうな)


小学校から仲のいい、親友の(さかい)優奈だった。


ふんわりとウェーブのかかったセミロングの髪が特徴的な女の子だ。

幼い頃からダンスをしていたこともあって、スタイルも抜群。


それに、活発で明るい性格だから優奈は常に目立つ存在で、男女問わず人気者だ。


優奈といっしょに壱葉中学の校門をくぐり、校舎の壁に貼り出されたクラス表を観に行く。


「キャー♪かりん、いっしょのクラスだよ!」


テンション高めに叫んで、わたしに抱きつく優奈。


優奈とは、小学1年生から6年生までクラス分けで離れたことがなかった。

それが、今回も奇跡的に同じクラスになった。