まだ、高校生だったらしい。


お母さんとは5つも歳は離れていたけど、すごく仲のいい姉妹だったとか。

だから、なっちゃんがいつでも近くにいるようにと、お母さんはなっちゃんの写真をリビングに飾っている。


わたしも、物心ついたときからなっちゃんの写真に話しかけていたから、この世にはいなくても家族同然のように感じていた。


なっちゃん――。

できることなら、一度会ってみたかったな。


わたしは、なっちゃんの写真を見つめる。


大きな丸い目に、サラサラのロングヘアが素敵。

そんななっちゃんに憧れて、わたしは髪を伸ばしている。


「じゃあ、なっちゃん。いってきます!」


わたしはなっちゃんの写真に手を振ると、スクールバッグを肩にかけた。



「おっはよ〜、かりん!」


登校中、後ろからわたしを呼ぶ声がした。