まるで隼人の仇とでも言うように、わたしを怒鳴りつけて何度を肩を揺さぶる。


…そんなに。

そんなに…わたしのことが恨んでいたんだ。


隼人のお母さんの言葉が、思いが、わたしの胸に突き刺さる。


「隼人は、無理に思い出そうとすれば、またあのときみたいに記憶が混乱するかもしれないのっ…!」


あのときの隼人が脳裏に浮かぶ。


『かりん…!かりん…!!』


記憶の中からなにかを探るように、わたしの名前を叫び続けた隼人は、混乱してパニック状態になってしまった。


あのときの隼人の苦しむ姿は、見るに耐えられなかった…。


「混乱の引き金となったのは、広瀬さん…あなたが原因なのっ!だから、もう隼人の前に現れてほしくなかった…!」

「…おばさん!なにも、そんな言い方しなくても…!もしかしたら、かりんが隼人の記憶を取り戻すきっかけになるかもしれないのに!」