そう詰め寄られて、わたしは思わずうつむいてしまった。


隼人にケガをさせたのも、そのせいで隼人が記憶をなくしたのも、全部…わたしのせい。


「…おばさん!そんな言い方しなくてもっ…!かりんだってケガをして、べつにかりんが悪いわけじゃ――」

「このコのケガは、たいしたものじゃなかった…!だけど、隼人はっ…!」


わたしを庇うカズの言葉を遮るように、隼人のお母さんは叫んだ。


「…どうして、隼人なの?隼人がなにか…悪いことでもした?」


隼人は、なにも悪いことなんてしていない…。

いつも優しくて、いつもわたしを守ってくれた。


その言葉に、わたしは無言で首を横に振ることしかできなかった。


そんなわたしをキッと睨みつける隼人のお母さん。


「あなたがっ…。あなたが隼人のかわりに大怪我をして、記憶を失くせばよかったのにっ…!!」