「ご家族の都合で、急遽転校することになったと、昨日瀧くんのお母さんから連絡がありました」


先生の話によると、本当に急だったみたいで…。

だから、クラス分けの貼り出された紙や席順の紙も差し替えが間に合わなかったと。


隼人が…転校…。

もう…この学校で、いっしょに過ごすことができないの…?


あまりにも突然な話で、内容をなかなか受け入れることができず、わたしの頭はフリーズした。



「みなさん、そろそろ体育館に向かいますよ。廊下に並んでください」


そう呼びかける先生の声も、遠くのほうでぼんやりと聞こえるだけで…。

夢か現実かもわからないまま、わたしは席に座ったままだった。


「…かりん!さっきの…どういうこと!?」


みんなが始業式に出席するため席を立つ中、優奈が一番にわたしのところに駆けつけてくれた。