先生は口ごもり、視線を落とす。


先生…、隼人のケガのことをみんなに話すのだろうか。

しばらくの間は、登校するのが難しいって。


おそらくこの教室内で、隼人の今の現状を知っているのは、わたしとカズと優奈だけだから。


そう思って、先生の話の続きをなるべく平常心でかまえていた。


…しかし、そのあとの先生の言葉は、わたしの想像とはまったく違うものだった。


「…残念ながら、瀧くんはこの壱葉中学を転校することになりました」


…えっ……?


――ちょっと待って。

転校って…、なに……?


「「…えーっ!!」」

「せっかく同じクラスになれたと思ったのに〜!」


周りからは、驚きや落胆の声が聞こえる。

驚いているのは…わたしも同じ。


優奈だって、慌ててわたしのほうを振り返った。