「おはよう、かりん」


カズに、…ガッカリした顔見られちゃったよね。

カズは、べつになにも悪くないのに。


「…あのさ、かりん」

「ん?どうしたの?」


カズが話を続けようとしたそのとき、教室の前のドアが開いた。


「はい、みんな!席に着いて〜!」


入ってきたのは、新しい担任の先生だった。


先生の声に反応して、さっきまで各々で立ち話をしていたクラスメイトたちが、そそくさと自分の席に着く。


「話はまたあとで聞くね」

「あ…、うん」


なにか言いたそうなカズだったけど、渋々自分の席に戻っていった。


新しい担任の先生は、簡単に自己紹介をしつつ、このあとの始業式の流れを説明した。

そして教室を見渡して、1人1人の生徒と顔を見合わせたあと、わたしの隣の席に目をやった。