あたしは練習を終えて家に帰って作って貰ったミックステープを聴いていた…
ケータイのイルミネーションが光る
紫色のイルミネーション
シグレ色
あたしは勢い良く電話に出た
『もしもし!!』
…電話の向こうから聞こえてきた望の雨みたいな声
『あんたなんてキライ』
『本当はあんたなんて大っキライ』
『もう二度と会いたくない』
『消えて』
ただただ、あたしは頭にはその単語しか入ってこない
望の
涙みたいな言葉がシトシト雨みたいにアスファルトに落ちて
あたしの体に薄く刃を立ててなぞった跡みたいに
血が滲むみたいに
望の言葉があたしの心を真っ赤に染めた