「ふっふーん!
また、わたしの勝ちね、天才くん!」
その女子生徒は
テストの解答用紙を左手に
スクワットの途中のような体制で
叫んでいる男子生徒を背にして
まるで、敵国の旗を奪った将軍のような
笑みを浮かべている。
「ぐっ...なっ...
なにを言ってるんだ...
...点数がちょっと高いだけじゃなイカ!!」
「...それ、前の時間にも聞いたよ?
・・・これで、わたしの学期末成績連覇は確定ね!」
男子生徒は
ついに絶命となることを悟った愚君のように、
床に前頭部を付きうなだれた。
「......まだだ!
まだ、生物と保健のテストが残っている!!」
「ふっ...
残念だけど...天才くん?
今までで、わたしに生物と保健
勝ったことがあったかしら?」
対する女子生徒は、
皇帝となった将軍の残酷さを纏った笑みを
元君主に向けている。
「ふっ、俺を見くびるなよ...!
今回はテスト前に教科書を読み込んだんだ!
それに・・・全問正解な気がしているんだ!」
「そう...
それは楽しみね...!」
今一度、動乱の時代が訪れる......
「あの~。」
......ことはなかった。
「お楽しみ中のところ、すんません?」
太平の世の民から声がかけられる。
「なんだ?」 「なにかしら?」
「あんな、お二人さん。
いつまでそのキャラ続けんの?」
「「......」」
...こうして、この世界の終わりは告げられた。