「分かった分かった。食べればいいんでしょ」
「ありがと、ユメっち」
こういう時、結局いつも私が折れる。
天然を相手にすると疲れるから仕方ない。
私の理想はね?
男らしくて頼り甲斐があって…
そんでもってハラハラさせられるくらい奔放な人。
追われるより追う恋をしたいなって昔から思ってたんだよ。他には何も見えなくなるくらい夢中になって、その人に尽くして…
そういうのが理想ではあるけどヨッシー相手じゃハラハラなんて、ねぇ。そんなの程遠い。
だってそうでしょ?仕事以外はほぼ家にいるから追う必要なんてゼロだもん。
まぁ奔放ではあるかもしれないけどね。私の理想とは全く違う意味で、だけど。
「グリンピースが何よ。もうすぐ父親になるんだから、いい加減好き嫌い克服してよね」
「すごいなぁ、ユメっちは」
「あ、またこんなにこぼして!拭くからお皿持ち上げて!」
「優しいなぁ、ユメっちは」
「いい?子供の前で情けないとこ見せたら本気でボコボコにするからねっ」
「強いなぁ、ユメっちは」
……喧嘩売ってんのかコノヤロウ。
まるで他人事。誰に言ってると思ってんだ。