「我が子をピッピ言うな」

「え?でもピッピは僕の天使だよ?あの笑顔の虜、そして僕の生きる糧。それがピッピだよ?」

「はぁ?そんなこと、よく嫁に言えたな!それに、この子は男子だからっ」

「えー…胎児ネームなんだから別に男女関係ないと思うけど」

「アホー!もういい。いただきますっ!」



違うだろ。自分の推しのあだ名を胎児ネームにすんなって話だろ。

明らかに不機嫌な私を前に、理由が分からないと言わんばかりにポカンと口を開けて不思議そうな顔してるし。

腹立つわー。でも、炒飯も餃子もめっちゃ美味しい。悔しいけど私が作る何倍も美味しい。
それもまた腹立つわー。



「ユメっち…」

「な、なにさ?」



イラつきを誤魔化すようにガツガツ食べ進める私を、隣に座るヨッシーが突然覗き込んでくるから思わず言葉に詰まった。



「ごめん、僕…」



ションボリした顔しちゃって…

漸く私のイライラの理由に気付いたか。

ったく、遅すぎるっつーの。

でも…ま、私も鬼嫁じゃないしね。

そんな叱られた子犬みたいな顔されると弱いっていうかさ。謝ってきたことだし許してあげよっかなって気持ちにはなるよね。