「あのさ、」
「うん?」
「二人もいいけど…次は歩夢と3人で来よっか」
「うん、私もちょうどそう思ってたとこ」
もちろん二人の時間は大切だけど、今の私達は恋人ではなく家族で、そこにあっくんは絶対に欠かすことのできない存在なんだ。
たっくんがいて、私がいて、あっくんがいる。
これが、今の私達にとって一番の幸せの形だから。
食べたいものを食べれなくても、乗りたいものに乗れなくても、3人一緒ならそれだけで楽しいんだ。
「朱里、最後にもう一枚写真撮ろ」
「うん、あっくんにも見せてあげようね」
ーーーパシャ…
夕陽をバックに撮った、観覧車での一枚。
たっくんも私も眩しいくらいの笑顔で幸せそうに笑っているけれど…
次に来るときは真ん中にあっくんがいて、きっと今よりもっともっと幸せそうに笑ってるんだろうな。
そんなことを考えていると、なんだかものすごくあっくんに会いたくなった。
「歩夢今日も実家泊まるとか言ってたけど…寂しいから俺達も乱入しない?」
「あ、それいい!みんなでお泊まりしちゃお」
観覧車から降りると、どちらからともなく手と手を取り合い歩き出す。
たっくんと同じくらい、大好きで愛おしいあっくんに会うために。
たっくん、今日は幸せな1日をありがとう。
またいつか、遠い未来でもいいから…
恋人ごっこしたいな、って今度言ってみよう。