懐かしそうに目を細めて言葉を紡ぐたっくんを見て、私の心臓は音を鳴らして跳ねた。
たっくんが私に抱いてくれていた気持ちなんて、呑気に毎日を過ごしていたあの頃の私は知りもしなかったけれど。
ただ、“優しい幼馴染み”のたっくんが大好きでいつも何をするときでも、たっくんと一緒じゃなきゃ嫌だった。
家族ぐるみで行った遊園地やキャンプ、そんな楽しいことも。
大嫌いなホラー映画や苦手だったロウソクの火、そんな怖いことも。
全部、全部、たっくんと一緒に経験してきたから…今ではかけがえのない大切な思い出になっているんだ。
生まれてから今日まで、たっくんと作り上げてきた思い出は数え切れないほどある。
それだけ時を共にしていることがすごく嬉しくて。
その一つ一つが愛しく思えて…
どれだけ時が流れたって、絶対忘れたくないって思った。
私にとってそれくらい、たっくんと過ごしてきた日々は大切な宝物だから。