【ご来園のお客様に閉園時間のお知らせを…】


一息ついてベンチにまったり座っていると、聞こえてきたアナウンス。

それは、閉園時間が近いことを告げるものだった。

見上げた空は確かに茜色に染まっていて…

ただただ、時間の流れの速さに驚いた。



「もうそんな時間なんだ…」

「最後になにか乗ろうよ。なにがいい?」

「えっと……あっ!」

「ん?」



どうしようかと園内をキョロキョロ見渡してみれば、目に飛び込んできたのは空高く聳え立つカラフルな大観覧車。

初めて知ったけれど、大観覧車はこの時間限定でライトアップされているらしい。キラキラと煌めくライトは、一瞬で私の目を奪った。



「最後はあれに乗りたいな」

「じゃ、恋人ごっこのラストは観覧車で決まりね」

「うんっ」