「朱里、喉乾いたでしょ?俺ジュース買ってく、」

「ダ、ダメっ!」

「え?」

「お願い、置いていかないでっ…!」



スタスタと歩き始めるたっくんの背中を慌てて追いかけた。

服の裾をグイグイ引っ張って、置いていかれないように必死になれば、何故か「可愛い」と笑われて。

道行く人がゾンビだったら、なんて余計なことばかり考えてしまう私は、そのままたっくんの腕に自分の腕を絡めるようにして自販機まで移動した。



「朱里、何飲む?」

「うーん、ミルクティーはお昼に飲んだから…オレンジジュースにする」

「ん、了解」



たっくんが買ってくれたオレンジジュース。

ポンッと手渡されたそれを早速口に含むと、カラカラになった喉が一瞬で潤ってホッとした。